教授ご挨拶(2016.12)
GREETING ご挨拶

山口大学呼吸器・感染症内科は2015年7月に開講しました。当初のスタッフは4名でしたが、現在では9名の医師が診療、教育、研究に従事しています。来春から更に体制が充実します。
当科では、肺炎、間質性肺炎、肺癌、喘息、COPD、呼吸不全など急性期から慢性期まで、common
diseaseから専門疾患まで幅広い呼吸器・感染性疾患を担当しています。膠原病や様々な疾患に伴う肺病変など他領域と連携した診療に深く関わるため、全身を診る姿勢を常に心掛けています。呼吸生理学、免疫学、画像診断学などを基盤に病態を把握する分析力と社会的背景や倫理面からも適正な医療を判断し実践できる行動力を兼ね備えた医師育成を目指しています。
教室運営の方針として重視しているのは、まず臨床の現場を大切にすること、しっかりとした医療の基盤を着実に築いていくこと、そしてその中で優秀な若い人材を集め育成していくことです。これらの基盤の上に基礎・臨床研究を充実させていきたいと考えております。具体的には、「適切な治療を、適切な患者に提供する医療の基盤となるトランスレーショナルリサーチ」を発展し、山口大学発の新たな診断・治療の開発に貢献していきたいと思います。今や、肺癌、喘息、COPD、間質性肺炎など呼吸器・感染症領域の多くの疾患が、症候学的治療体系から分子生物学的な治療体系へのパラダイムシフトを迎えようとしています。
当科では将来の医療への応用を視野に入れた楽しみな研究が開始されており、診断・治療の進歩と次世代の研究育成に貢献していきたいと考えています。
今後、人の輪をどんどん広げていけるよう、そして山口県の未来を担う若い人たちが多分野において活躍できるよう、医療が一歩でも先に進んでいけるよう全力で取り組みたいと思います。Think
Local, Act Global 地に足が着いた実臨床を基盤に、夢のある医療の発展を目指します。
2016年12月
山口大学大学院医学系研究科 呼吸器・感染症内科学講座 教授
松永 和人