教授ご挨拶(2015.11)
GREETING ご挨拶

平成27年7月1日付けで医学系研究科呼吸器・感染症内科学教授を拝命いたしました松永和人(まつながかずと)と申します。まず私の略歴を紹介させていただきます。
私は奈良県の生まれですが、小学生の時に北九州市小倉に転校しました。 小学生時代には両親に長門市の大浜海水浴場や下関市の火の山公園などに連れていってもらいました。
その後、久留米大学附設中学校・高等学校へと進学し、和歌山県立医科大学に入学するまでの10年間を福岡で過ごしたため、山口県は馴染みのある縁の深い土地であります。
私は平成3年に和歌山県立医科大学を卒業しました。 平成3年という年は和歌山県立医科大学附属病院で呼吸器内科の外来が開設された年になります。
もとより喘息や肺炎などの呼吸器疾患に興味を持っていましたが、医学部6回生の頃、「大学病院に呼吸器内科を立ち上げる」というニュースを聞いて瞬時に野本拓教授が主宰されていた内科学第三講座に進もうと決心しました。
その後、湯川進教授、一ノ瀬正和教授、山本信之教授のもとで呼吸器・感染症内科学の診療、教育、研究についてご指導を仰ぎながら、24年間にわたり大学の診療体制の立ち上げから県内の呼吸器診療体系の構築に携わってまいりました。
この間、2年間は米国南フロリダ大学医学部免疫・微生物学教室のHerman Friedman教授のもとでレジオネラ菌に対する肺胞マクロファージの感染免疫応答に関する研究に従事しました。
これまで人生の節目節目で、諸先生方のご指導と引き立てで今日に至っております。
改めてご指導いただいた先生方への感謝の念を強くするとともに、多くの人々の輪の中で育てていただいたことを忘れず仲間とともに成長を目指していきたいと考えています。
呼吸器・感染症内科学講座における教室運営の方針としましては、まず臨床の現場を大切にすること、しっかりとした医療の基盤を着実に築いていくこと、そしてその中で優秀な若い人材を集め育成していくことであります。
そして、その基盤の上に臨床研究を充実させていきたいと考えております。
具体的には、「適切な治療を、適切な患者に提供する個別化医療の基盤となるトランスレーショナルリサーチ」を発展し、山口大学発の新たな診断・治療の開発に貢献していきたいと思います。
現在、肺癌、喘息、COPD、間質性肺炎など呼吸器・感染症分野の多くの疾患が、症候学的な治療体系から分子生物学的治療体系へのパラダイムシフトを迎えようとしています。
低侵襲性で精度の高いバイオマーカーを開発し、新たな医療に応用していくことで診断・治療の進歩と次世代の研究育成を目指していきます。
今後、人の輪をどんどん広げていけるよう、そして山口県の未来を担う若い人たちが多分野において活躍できるよう、医療が一歩でも先に進んでいくよう全力で取り組みたいと思います。 Think
Local, Act Global 地に足の着いた診療を基盤に、夢のある医療の発展を目指します。
2015年11月
教授 松永 和人