講座について
GREETING ご挨拶

呼吸器・感染症内科は、山口大学医学部の中でもいちばん新しい講座です。開設は2015年7月。その時にご縁をいただき、初代教授として着任しました。4人で立ち上げた講座も36名体制となり、約10年間で大きく成長。肺がん、肺炎、間質性肺炎、ウイルス感染症、喘息、COPDなど急性期から慢性期まで、コモンディジーズから専門疾患まで幅広い呼吸器・感染症疾患を専門領域としています。
重症度の高い患者さまを治療する上では、新しい薬剤を含めて治療を提供し、気管支鏡を用いる特殊な検査などを実施。呼気一酸化窒素濃度検査では、気道の炎症状態を数値化し、状態を詳細に確認することで個別的な医療提供を行なうほか、中四国・九州地域では希少な気道過敏性検査にも対応しています。慢性的な喘息やCOPD、間質性肺疾患の分野で強みを発揮する当院には、他県から受診する方も多くいらっしゃいます。
高齢社会を迎え、人口が減少する日本では、医療現場で求められる医療や医師の果たす役割も変化していくでしょう。1人の患者が複数の病気を抱えるケースも多く、病気の種類や個別の状態に対応することが求められるようになります。
その中で、循環器や精神神経とともに呼吸器内科の重要度は、さらに高くなると考えています。これからの医師に求められるのは、自身の専門分野だけを診るのではなく、複数領域の疾患を持つ患者を支える力。専門性を軸にしながら、呼吸器や感染症だけでなく、患者全体を診る力が重視されます。
とはいえ、呼吸器内科の分野だけでも、肺腫瘍、感染症、アレルギーなどの幅広い疾患があり、病気が起こる原因も様々。実に広い範囲をカバーする必要があります。多くの疾患群で経験を積み、臨床能力を磨き、研鑽を重ねられるのも当講座の強みです。
2025年3月19日
山口大学大学院医学系研究科 呼吸器・感染症内科学講座
教授 松永 和人
COURSE INTRODUCTION 講座の紹介

現在、人口の高齢化は医療者にとって非常に重要な問題です。 高齢化に伴う疾病構造の変化により、COPD、呼吸器感染症、肺癌などの呼吸器疾患が急速に増加しています。 国際的にみても呼吸器疾患の増加は顕著です。 WHOでは、2020年の世界の死亡原因の3~5位をCOPD、呼吸器感染症、呼吸器癌が占めると予測しています。
呼吸器疾患の増加に対処するために呼吸器内科専門医の養成が急務であります。 当科で習得できる診療手技としては内科診察の基本「問診、聴診、打診、触診」に始まり、画像診断技術、呼吸機能検査、気管支鏡検査、胸腔穿刺、胸腔ドレナージ、経皮的肺生検、喀痰グラム染色などがあります。